准教授 堂薗 浩 (DOUZONO Hiroshi)
E-mail:douzono [at] cc.saga-u.ac.jp (メールアドレスは [at] を@に変更してください)
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専門分野: | ソフトコンピューティング, 計算機システム・ネットワーク,バイオインフォマティクス,バイオメトリクス,ネットワークセキュリティ |
所属学会: | IEEE,情報処理学会,日本サイトメトリー学会,計測自動制御学会 |
自己組織化マップの研究とその応用
自己組織化マップはKohonenによって提案されたニューラルネットの一種で,多次元の情報をより低次元(2次元が多い)に写像して,人間が理解しやすいように可視化したり,分類が不明なデータの,自動的なクラス分けを行います.自己組織化マップに関しては国際的にも大学や企業の研究所で研究が進められており,自己組織化マップワークショップ Workshop of on Self Organizing Mapがこれまで10回世界各地で開催されており,堂薗自身もこれまで7回参加し,発表を行っております.具体的には以下のような研究をおこなっております.
パレート型自己組織化マップの基礎研究
堂薗自身が提案した新しい学習方式を取り入れた自己組織化マップです.自己組織化マップは通常1つの入力ベクトルを学習するのですが,パレート型自己組織化マップは複数のベクトルを統合したマルチモーダルベクトルを学習するために開発されたもので,最適化理論で用いられるパレート最適化の手法を取り入れています.また,学習を行っていない異常データの検出にも優れた特性を有しています.これらの特徴を活かして,後述の生体認証システム,パケットトラフィックの解析に応用しています.
隠れマルコフモデル自己組織化マップ(HMM-SOM)の基礎研究
一般的な自己組織化マップは数値データから構成されるベクトルを学習するのですが,HMM-SOMは入力データを生成する隠れマルコフモデル(HMM)を学習して,2次元平面上にそれらの類似性に応じて配置し,それらのモデル間の関係を可視化したり,分類を行ったりします.これらの特徴を活かして,後述のDNAシーケンスの解析や,株価時系列情報の解析に応用しています
自己組織化マップを用いたDNAシーケンス解析
近年,DNAシーケンスの配列を決定するDNAシーケンサーの発展により,大量のDNAシーケンスを効率よく解析を行う手法の開発が求められています.そのような手法の1つとして,自己組織化マップを応用した手法の研究を進めています.具体的にはDNAシーケンスに含まれる文字列の頻度や相関係数を用いて,多種の生物のDNAシーケンスの混合物などからDNAを分類する手法について研究を進めています.
赤:人間 緑:ねずみ 青:犬 水色:稲 黄色:ハエ ピンク:酵母
自己組織化マップを用いたC言語学習状況の視覚化
大学などでのコンピュータを用いた講義において,学習者の状況を把握するのは講師にとって重要なことです.そこで,学習者のキーボード入力やマウス入力,および,モニタ画面の情報を取得して,これらを自己組織化マップで学習することで,学習者の状況を2次元平面上に可視化するシステムの開発を進めています.
タッチパネルを用いた生体認証システムの開発
近年,スマートフォンやタブレット端末の普及によりネットワーク環境が手軽に,どこでも使用できるようになってきています.これらのシステムで使用可能な簡単で安全な認証システムとして,タッチパネルを用いた生体認証システムの開発を行っており,その解析や認証アルゴリズムに自己組織化マップを応用しています.